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2005年 09月 20日
「タッチ」。先日見てきて、すでに1回書いてるんだけど、どーしても不満が溜まってるので、もう1回書かせてもらいます。
他人の評価を見てると、どうも原作と別物として見れてる人にはそれなりに満足できる作品だったらしいです。多少強引に話を詰め込みすぎてる感はありますけど、それでも感動したと言うような感想をたくさん見ました。映画の感想は人それぞれなので、面白いと思う人もいれば、そう思わない人も居るのは当然。ただ、いくら人の感想を読んだところで、やっぱ自分的には許せない映画でした。 配役について。これに関しては文句無しです。けっこうイメージに近いと思いました(アニメと実写の顔を比べても意味無いしな)。演技の上手下手に関してはよく解りません。 キャラについて。私的に一番不満だったのがココ。私(男です)にとって、浅倉南は憧れであり理想の女性像であり、そして上杉達也も理想の男性像だったりするのですよ。だから、どうしてもここまで変えられるのは私にとっては許されない。 浅倉南は優等生であり、明青のマドンナであり、男からも女からも好かれ、頼られ、それでも普通の女の子の部分も持ち合わせるというキャラのはず。なのに、この映画ではそれが一切描かれていない。浅倉南はみんなから「南ちゃん」と呼ばれるアイドルのはずが、映画では「浅倉」って呼ばれちゃってるしね… 上杉達也はスケベでだらしないダメ兄貴、だけど男から好かれる。常にダメ兄貴ぶりを出しながら、実は優しくてとても弟想い。家族も友達も非常に大事にするキャラのはず。なのに、この映画ではそういったカリスマ的な人を引き付ける部分が全く無く、単に弟との勝負を避けて野球から逃げてしまった兄じゃない?和也の後を継いで野球を始める経過も全然変えられちゃったし、しかもすぐ投げ出しちゃうし。全く別人になっちゃいましたね… 上杉兄弟の両親と南の親父さん。試合のある日は仕事休んじゃうような親バカっぷりも無いし、なんか飄々としながらもちゃんと息子・娘を見守ってるというステキな部分が全然無かったのが残念でした。まぁこの映画の達也のキャラに対してあの母親ってのは役割的に間違ってないと思いますが。 もう一つ許せないのが原田。キャラ的には良かったと思います。ただ、原作では原田はずっと南に惚れてるキャラなんですよね。別に本当に付き合いたいとかそういった事は全く表には出しませんけど、それでもずっと南が好きで側にいる。南が好きだからこそ達也にも渇を入れる。だからこそ二人の最高の親友である原田。なのに、オマケのようにソノコとくっ付ける意味が解らん。 ストーリーについて。単行本26巻が2時間な訳だから無理があるのはもちろんですが、それでもちょっと酷いかなぁ。達也と南のキスシーンとか、和也の事故死とか、最後のセリフとか。そういう重要な部分を映像化したいのは解るのだが、そこまでの経過を省略したり変更したりされてたので、それはどうなの?って感じでした。 達也は高校入学と同時にボクシング部に入って、それで初めての試合が野球部の予選1回戦と同日な訳ですよ。なので野球部のマネージャーである南は応援に行けない。で、南と勝利を約束して初めてボクシングでやる気を見せたのに負けてしまった達也は、「たかが練習試合だったのに南が必ず勝てなんて言うから…」という事であのキスシーンへと繋がってくわけですよね。なのに映画は何?なんかいきなり「キスするんじゃない?」とか言いだして、それはどうなのよ? それから、「タッチ」において非常に重要なのは和也が死ぬまでのエピソードだと思うのですよ。もちろん本題はその後の達也と南の話になるわけですが、それも最初の3人でのエピソードがあってこそ。なのにそこをだいぶ端折られ、しかも意味不明な草野球のシーンが入った挙句、サクっと消化されてしまった感じのある和也の事故の話。これではあまりにも… ボクシング部のマネージャーも意味不明でしたね。新田に関しては、全くライバル関係になるエピソードが無いので、クライマックスも特に盛り上がりも無く。和也と新田とのエピソードを削除してでも、達也と南ともっと絡ませるべきだったんじゃないだろうか…まぁ新田のキャラそのものが全く別人なので、何とも言えませんけど。 あとねぇ、最後の「上杉達也は浅倉南を愛してます」ってセリフ。取って付けただけじゃん!映画の流れ的に必要ないセリフでしょ。和也の事もあり、そして近すぎるが故になかなか近寄れなかった達也と南。それが甲子園出場と言う和也の無念を晴らし、そして達也が和也の為じゃなく自分の為に歩み始めたからこその大切なセリフ。なのに、この使われよう。あまりにも酷すぎる。 長くなりましたが、とりあえず書きたかったことは書けたかなぁ。あくまでこれは個人的な感想であって、原作と映画を別物として見れなかった自分も悪いのかもしれない。ただ、やっぱり原作が大好きな人が居るって事を考えて映画を作って欲しかった。中途半端に映画化されたら単に駄作と片付けたかもしれないけど、大切な思い入れのあるキャラクターをここまで崩されると、やっぱり不満でしかない。むしろ怒り。原作に縛られすぎだって言われてもいいです。ただ、そういうファンもいるんです。
by hare-blog
| 2005-09-20 01:07
| 映画・TV
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